超高電圧網の建設がアルミ消費量増大を牽引

インフラプロジェクトの中でも、超高圧の送電能力を大幅にアップさせることは特に重要案件に数えられる。中国の地形的特徴であるが、中西部はエネルギー資源が豊富で、電力の供給地域である東部沿岸部は主なエネルギー消費地域で供給地と消費地が遠隔地としてわかれている。超高電圧網は、西から東への電力資源の転送のための重要な「橋」と言える。「第13次5ヵ年計画 」以降、中国経済の急速な発展の中で、ここ2年は新型コロナの影響もあり、経済成長率の低下が目立っている。インフラ建設は経済を支える重要なツールであり、またその中でも超高電圧プロジェクトは重要な役割を担っている。

「第14次5ヵ年計画」の基、雅砻江流域、松遼、冀北、黄河几字弯、金沙江川上など9のつクリーンエネルギー基地と5つの風力発電基地の建設が進められている。「第14次5ヵ年計画」期間中に9か所のクリーンエネルギー基地は、新疆、雲南、貴州、チベット東南部、青海、甘粛、モンゴル西部、東北地方などの地域を含み、東側の電力消費地から1000~3000km離れているが、そのため長距離のエネルギー送電の重点地域となっている。直流超高電圧は長距離での送電に重要な役割を果たす。

超高電圧の電力転送には鋼芯アルミ撚り線が使用されており、国内の超高電圧プロジェクトの建設が加速すれば、アルミニウムの消費量は確実に増加する。

送電時にエネルギーは大きな損失を被るが、グリッド転送は高効率かつ低損失であるように設計されている。物理学的には、電力の電圧が高ければ高いほど、エネルギーの損失は小さくて済む。通常銅を主な電力ケーブルの送電材料として使用すると、限られた電流にしか耐えられない。電圧が大きくなると銅線は溶けてしまい、明らかに超高電圧の送電には適していない。それに対して、鋼芯アルミ撚り線の絞り面は大きく、放熱性が良く、電力転送の損失が少ない。また、アルミニウムは鋼や銅に比べて密度が低く、軽いため、電線をコスト面からみると安い。そのため、超高電圧転送用の材料としては、鋼芯アルミ撚り線がベストだと一般的に言われている。

計算によると、超高電圧DC路線のアルミニウム消費量は約1km/55.2トン、超高電圧AC路線のアルミニウム消費量は約1㎞/63.4トンとなる。2016年以降に中国で建設された超高電圧路線は年間2400~4500kmとなる。「第14次5ヵ年計画」期間中は、超高電圧プロジェクトの建設が促進され、年間建設距離は6000km以上になると予想されている。

2016年以降、国内の超高電圧プロジェクトで使用されたアルミの量は20~30万トンであるが、2021年には22万トン、2022年には25万トンに迫り、2025年には36万トンを超えるものと予想されている。

加速度的な経済成長を背景に、インフラ建設の需要がますます強くなり、超高電圧プロジェクトの認可と建設へのスピードが上がり、国内のアルミニウム消費量は一定の伸びを示してきている。しかし、高圧電線の消費比率がまだ低いため、今後消費を拡大していくためには、アルミ需要が増加しそれに応えるべく供給をさらに増加させるる必要がある。

免責事項について:
・掲載したニュースは、すでに公に発表された諸情報を日本語に翻訳してお届けしています(情報源は問い合わせ可)。
 ニュースの内容は、本サイトがその見解を支持することを意味するものではなく、必ずしも正確性・信頼性を保証するものではありません。
・本サイトに掲載されている文章、画像、音声、映像などの著作権は、原権利者に帰属します。本サイトおよび原権利者の許諾を得ずに、私的複製やアップロードすることはできません。
・本サイトは、本サイトにおけるコンテンツの不適切な複製または引用によって生じた民事上の紛争、行政上の処理、およびその他の損失について責任を負いません。
・本サイトに掲載されている資本市場や上場企業に関する記事は、いかなる投資助言を行うものではなく、投資案件についての助言として利用する場合は、自らの責任で行ってください。
・誹謗中傷、宣伝行為、および法律・当サイトのポリシーなどにより禁止されているコメントは、管理人の裁量によって承認せず、削除することがあります。

コメントを残す

コメントを投稿するには規約をご確認のうえ、会員登録をお願いします。【会員規約】

会員の方はこちらからログインをお願いします。 【ログイン】