太陽電池産業は、アルミニウム、銅、亜鉛などのベースメタルの需要をどのように促進するか？

太陽光発電（PV）は、世界経済の脱炭素化に重要な役割を果たしており、PV単価の低下と効率性の向上が業界の成長を牽引する。PVパネルの製造に使用されるアルミニウム、銅、亜鉛などのベースメタルは好ましい状況になるかもしれない。

太陽光発電：未来のグリーン電力の主役の一つ

2021年のPV産業は引き続き活況を呈し、前年比11%増の148GWの容量が設置される見込みです。2019年で最初の100GWを達成してからわずか7年後の2026年には、容量増加量が200GWを超える可能性がある。新規に設置されるPV容量の約半分は、成熟した市場とアジア太平洋地域での設置になると予想しており、中でも中国は今後の絶対的な主要市場になると考えている。

太陽電池産業におけるベースメタル

太陽電池産業の需要増加に伴い、太陽電池工場の建設に使用される様々な種類の金属の需要が急増している。一般的に、太陽光発電パネルには、アルミニウムやガルバニースチール（亜鉛でコーティングされた）の構造要素など、いくつかのベースメタル部品が含まれている。銅は、高電圧および低電圧のケーブルや、太陽電池集熱器の銅管の製造に使用される。

主な3種類のPVシステムのうち、PVパネルを使って太陽エネルギーを直流に変換するPV装置が大きなシェアを占める。太陽エネルギーを鏡で集光して熱媒体に当てるCSP（Concentrating Solar Power）システムは、最も金属を使用するシステムであり、現在の市場シェアは約1％です。2050年にはCSPシステムの市場シェアは8％に達すると予想している。第3のタイプである太陽エネルギーを利用して水を温める太陽光発電システムの設置は、徐々に置き換えられていく。

ベースメタルの需要が大幅に増加する可能性

太陽光発電システムに使用されるアルミニウムの平均使用量は21kg/kWであり、集光型太陽光発電システムではその2倍以上の密度、すなわち約47kg/kWのアルミニウムを使用することができると推定している。太陽光発電産業からのアルミニウム需要は2040年までに約460万トンに達するとしている。温暖化を1.5℃以下に抑えるためには、アルミニウムの需要は1,000万トンに達する。その時点で、アルミニウムの総消費量に占める太陽電池産業の割合は、3％から12.6％に増加する。

アルミニウムの潜在的な需要は、これよりもはるかに大きい。現在、集光型太陽熱発電システムの部品には、まだ鉄が多く使われている。将来的には、これらの部品のいくつかがアルミニウムを優先して設計される可能性がある。スチールのコスト面での優位性（重量面での影響は少ない）を考えると、スチールが置き換えられるかどうか、どの程度まで置き換えられるかはまだわからない。しかし、興味深いことに、アルミニウム製の部品に完全に切り替えた場合、アルミニウムの需要が少なくとも50％増加することになる。

また、銅の消費量も大幅に増加することが予想され、太陽光発電産業からの需要は2020年には約40万トン、2040年には約70万トンに増加すると見込まれている。

大規模な太陽光発電所の耐用年数は少なくとも30年であり、このような長期間にわたる腐食防止のための費用対効果の高いソリューションを提供できるのは、亜鉛コーティングだけです。現在、太陽光発電産業は世界の亜鉛消費量の約40万トンを占めており、2040年には80万トンにまで増加すると予想されている。亜鉛の需要は、温暖化が1.5℃および2℃に維持されるというシナリオ予測の下で、さらに増加すると考えられる。

アルミニウム電解工程の電力供給の脱炭素化に貢献する太陽光発電

さらに重要なことは、アルミニウムの電気分解のプロセスは炭素集約的なプロセスであり、太陽光発電はこのプロセスを脱炭素化することができるということである。UAEは、アルミニウム製錬に太陽光発電を使用する最初の国となる。パイロットプロジェクトでは、560,000MWhの太陽光発電容量を使用し、年間40,000トンのアルミニウムに電力を供給する予定である。さらに拡大すれば、エネルギー分野と電力分野の好循環が生まれるだろう。

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