百色市のロックダウンがアルミ市場に与える影響

広西省で新型コロナウィルスの感染が急拡大し、感染者が主に百色市に集中している。2月6日に行われた第一回PCR検査では陽性者98人が確認された。このような厳しい状況を踏まえ、2月7日から百色市がロックダウンに踏み切った。広西省は中国有数のアルミ生産地で、また百色市は電解アルミとアルミナの重要拠点である。広西省の現在の電解アルミ生産能力は290万トンで、中国全体の約7%を占め、そのうち百色市だけでも生産能力は240万トンで、中国全体の5.6%ほどである。広西省の電解アルミ生産能力のうち198万トンが稼働しており、中国全体の約5%を占め、そのうち百色市だけで173万トン、全体の4.5%ほどである。広西省のアルミナ精製工場はすべて百色市に集中しており、現在の生産能力は1,000万トンを超え、中国全体の約11%を占める。百色市にある電解アルミ工場は現状では通常通りの生産を維持できているが、一部のアルミナ生産工場は感染拡大の影響を受けている。ロックダウンによって、百色市と他の地域との人の流れが中断され、工場労働者のうち職場に復帰できないケースもあり、生産にどれほどの影響を及ぼすかは未だに未知数である。

百色市で実施されているロックダウンは華南市場へのアルミ供給にも打撃を与えている。ロックダウンの実施により百色市と他の地域との交通が遮断され、特に自動車による運送業は深刻な影響を受けている。物流が制限され、アルミインゴットの納期に遅延が生じる。ただし、広西省で生産される電解アルミの相当部分は地元に供給されるうえ、多くのアルミ加工工場ではまだ生産が再開されておらず需要は少ないため、春節明けすぐに供給不足になる可能性は低い。もし百色市での市中感染拡大が早急に終息し、ロックダウンが解除されれば、アルミ市場への悪影響は弱まる見込みである。

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