アルミ製錬産業は2023年までに炭素排出量取引市場に組み込まれよう
ICF業種別調査は、発電産業に続き、セメント、鉄鋼及びアルミ製錬産業は2023年までに全国の炭素市場に組み込まれると予想している。また中国の炭素排出量取引市場における炭素価格は、2022年の49元/トンから2025年の87元/トンへと着実に上昇するだろう。この調査は国際コンサルティング会社であるICFと「北京中創炭素投資科技有限会社」(「中創炭投」)が共同で行った。「中創炭投」の首席アナリストの林立身氏によると、調査員らは様々な業界の関係者を対象に調査し417枚の回答を回収した。回答を寄せた企業の76%は排出規制対象、49%は地域または全国の炭素市場に参加している企業である。排出規制対象企業のうち、一番高い割合(回答者の33%)を占めているのは電力業界で、それにセメント(20%)、鉄鋼(7%)、化学(6%)、非鉄金属(5%)などがつらなう。回答者の10%はコンサルティングサービス、検証サービス、カーボンオフセットプロジェクト開発、炭素取引サービスなどの炭素市場関連サービスのプロバイダーからで、3%は研究機関からであった。その他の回答者は学界、金融業界、地方政府であった。
回答者の大多数は炭素価格が着実に上昇していくと予想しているものの、予想する上昇率には回答者の中でも大きな開きがある。2022年の炭素平均価格は49元/トン、2025年には87元/トン、2030年には139元/トンにまで上昇すると予想する向きが多い。
セメント、鉄鋼、電解アルミの各業界は炭素市場への参加に準備が整えられていることが調査の結果分かった。回答者の多くは、この3業種が2023年までに炭素市場に参加すると考えている。この回答者の3分の1以上は、実現の年を2022年までと予想している。また石油化学、製紙、化学工業、航空などその他の主要な炭素排出業界が2024年までに炭素市場に参加すると考えられている。
炭素排出量の削減目標について、電力業界の回答者の約半数は、期限内に達成でき、排出枠に余裕が生まれると回答している。回答者は、現在から2030年までの間に炭素価格の動向が投資の判断基準に影響を与えると予想している。例えば回答者の内約80%は、2025年時点で投資判断に与える影響は中程度を、また影響はほとんどないと予想しているのはわずか5%だけであった。
雲南省のある電力会社へのインタビューによると、中国の全国炭素排出権取引システムは同社のエネルギー計画に影響を与えると述べている。「2021年~2025年にかけて当社は徐々にエネルギーの転換を図る。2025年~2030年には新たなエネルギーへの転換をはかり段階的に大型の炭素排出設備を廃却し、クリーンエネルギーの利用に移行する。そして2030年~2050年にこの新事業開発を完了する」と回答諸氏は述べている。
市場の透明性を高めるためのデータの公表に何が必要であるかとの質問に対しては、企業の年間排出量、業界における排出量、排出枠の割当、企業のコンプライアンスなどと回答している。
上海の某化学会社は、高額の罰金と第三者による検証の両方が必要だと意見を述べている。検証無くして、罰金を課すことはできない。高い罰金を科さないのであれば、検証する意味はないとも語った。
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