新インフラ整備でアルミ消費量を底上げ(注目)

今年に入り、中国で局地的な新型コロナの感染拡大が頻発している。一部の地域では厳しい状況に陥り、揚子江デルタと東北地方では経済活動が著しく落ち込んだ。繰り返される感染拡大、需要の縮小、景気の停滞などによって、経済の下振れ圧力が急激に高まっている。アルミが一番多く消費されるのは建築向けだが、消費を示す各データはすべて減少のサインを表している。従来型の消費の萎縮に伴い、市場の関心は徐々に新インフラ整備に移ってきている。アルミの消費という観点から見た場合、5G基地局、超高電圧送電網、都市間高速鉄道、鉄道輸送、新エネルギー車用充電スタンドなどは新しい消費分野である。そこで、これらの分野での大規模な整備事業がアルミの需要回復に期待されるゆえんである。

1.超高電圧(UHV)送電網:

2022年度超高電圧送電網整備計画では、UHV ACラインを7,568km、UHV DCラインを3,040km敷設される。SMM(上海金属市場)の過去データに基づき、UHV ACラインとUHV DCラインのアルミ使用量をそれぞれ63.43㌧/km、55.17㌧/*kmと仮定した場合、年間総消費量はACラインは48万㌧、DCラインは16.7万㌧である。今年中に整備計画の50%が完成できたとした場合、年間アルミ消費量は32.4万㌧の見込みである。

2.都市間高速鉄道:

都市間高速鉄道整備の場合、アルミは主に鉄道車両に使用され、平均使用量は13㌧/両である。今年度の新規高速鉄道敷設計画は2,198kmだが、車両配置を1.5台/kmとした場合、必要な車両数は3,297台で、そのうちアルミ合金が占める割合を40%とすると、1,318両となる。2022年中に新規建設される鉄道のうち50%が開業すると控えめに見積もっても、必要なアルミ合金製車両数は660台、アルミニウム合金材の使用量は0.858万㌧にのぼる。

3.5G基地局整備:

この場合、アルミの使用がもっとも多いのは基地局で、全体の約90%を占めており、その中でも特にPVインバータ、5Gアンテナ、放熱材料などに使用が集中している。新規開設する5G基地局のアルミ使用量は2022年度は1.52万㌧、2025年度までは3.08万㌧に達する見込みである。

4.新エネルギー車用充電スタンド:

新規設置する充電スタンドの数は、2022年~2025年はそれぞれ244万台、265万台、292万台、403万台との予想。アルミニウムは主に充電スタンドのアルミ合金板、アルミ合金線、電極箔、アルミニウムラジエータなどの部品に使用され、充電スタンド1台に付きアルミニウムの使用量は約2㎏である。新規設置する充電スタンドのアルミニウム使用量は2022年度は0.488万㌧、2025年までは0.806万㌧に達する見込みである。

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