工業情報化部 リサイクルの戦略化を主導へ(注目)

先般、工業情報化部など6部門が共同で『工業エネルギー効率向上行動計画』(『行動計画』)を発表した。その内容は、重点産業の省エネと効率の向上、エネルギー多消費設備の更新、工業園区における総合的エネルギー効率の向上、工業用エネルギーの低炭素化、デジタル・インフラストラクチャーのエネルギー効率の向上、科学技術とイノベーション、エネルギー管理体制作り、安全措置など8つの側面からなり、目標と課題を明示した。

中国では近年、非鉄金属産業のエネルギー利用効率は大幅に向上し、生産の集中・集約化も著しくすすんだ。銅製錬用高炉、鉛製錬用焼結炉と高炉、小型アルミ電解槽、109m2以下の亜鉛焙炒炉を含む時代遅れの設備と生産ラインはすべて淘汰され、高技術の設備に置き換えられた。600kA大型アルミ電解槽や新型陰極構造などに見られるようにアルミ電解槽技術は世界トップレベルに達している。

自主開発による連続製銅法では、粗銅1トン当たりの総合エネルギー原単位は13%~17%の低減。これは約30~40kgの標準石炭を節約することに相当する。鉛製錬における、(「酸化—還元—揮発」との)連続製錬法による生産量は12.5%に達し、エネルギー効率が一層向上している。

第14次5カ年計画で、ダブルカーボンを含む高品質目標を実現するために、『行動計画』を策定。エネルギーの効率向上、低炭素化、管理などに具体的な目標を設定した。

1.産業構造の調整:

中国の非鉄金属産業は依然として一次製品の生産が中心で、高品質・高精度・高技術力の製品は輸入に頼りその割合は非常に大きい。今後、非鉄金属産業は8Nの高純度金属とその化合物、チップ、半導体、航空機エンジンなどを中心に、高品質な原材料と高精度な製品を開発していくことが必要である。

2.先端技術の応用:

重点産業を中心に、エネルギー効率アップのための新技術の開発を順次図っていく。アルミ製錬向け高品質アノード、銅マット複合吹錬法、大口径竪型二重熱貯蔵底出スラグによるマグネシウム製錬法、液体鉛滓直接還元法など新技術の実用化と、多孔質媒体燃焼と直接製錬の普及を推進すること。省エネについてはアルミの電解製錬を中心に、アルミナ冷材の予熱、不活性陽極を用いたアルミの電解生成、脱炭素・脱フッ化アルミ製錬法などの技術を開発していく。

3.グリーンエネルギーの利用を拡大:

非鉄金属産業が消費する主なエネルギーは電力で、エネルギー消費全体の65%以上を電力が占めている。グリーン電力の比重を高めることは、産業全体のエネルギー効率を向上させるための鍵である。そのためには次の①~③のアクションが重要である。①エネルギーの多様化とグリーン化を促進し、身近にある再生可能エネルギーの利用を拡大していくこと。②大口需要家がグリーンな産業用マイクログリッドの構築を積極的に検討し、太陽光発電・風力発電・高効率ヒートポンプ・廃熱と超過圧力を利用し、スマート制御システムを開発して実用化すること。③アルミ製錬業が太陽光・風力・水力が共に豊富な西部への移転に取り掛かること。

4.資源のリサイクルを強化しエネルギー効率向上を図る:

現在、中国における銅・アルミ・鉛・亜鉛のリサイクル率はそれぞれ28%、32%、38%、15%に止まっており、まだ大いに改善する余地が残されている。そのためには次のアクションが有効である。①大手非鉄金属産業がリサイクル業者との提携を図り、廃棄物を再生・輸送するための集約型施設を建設すること。その結果として、リサイクルを発展させることである。②高度のリサイクル産業を構築し、銅・アルミ・亜鉛・ニッケル・コバルト・リチウムを含む戦略的金属スクラップのリサイクル率を引き上げるとともに、リサイクル製品の付加価値を高めていくこと。

5.スマート制御システムの構築を加速する:

製造業のデジタル化を加速すること。エネルギー多消費設備をバージョンアップすること。エネルギー管理を可視化すること、オンライン化すること。これらを通して、エネルギー効率向上のためのソリューションを多く見出すことが必要である。

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