新エネルギー車向け電池アルミケース成形技術の開発

企業名：安徽富嘉益新能源科技有限公司
業界：自動車産業

概要
本プロジェクトは、熱間押出および引抜き加工による方形アルミケースの成形技術を開発するものである。工程は大きく二つに分かれる。第一に、熱間押出による薄肉方形断面アルミケース（肉厚約0.60mm）の成形、第二に、引抜き加工を通じた強度および寸法要件を満たす方形アルミケースの製造である。課題は、押出金型および引抜き金型の設計・最適化にあり、とりわけ角部や辺部の変形均一性確保が焦点となっている。

詳細
本プロジェクトは、押出と引抜きの両技術を活用し、電池用方形シェルの高効率生産を目指す。目標は、押出中間材の安定性を確保するとともに、引抜き工程における最大かつ均一な変形量を実現することである。

• 押出工程では、現行の中間材の肉厚は0.5～0.7mmであるが、既存金型は安定性に課題があり、製品の成形不良や波打ち、断面の平行四辺形化が発生している。また、上下の肉厚差が0.10mmを超えるなど寸法安定性も十分ではない。
• 引抜き工程では、変形量が不足しており、延伸係数1.3以上が求められる。また、変形後の四面と四隅の厚み差は0.03mm以内である必要があり、角部に材料が偏る問題を解決することが急務となっている。

安徽省では新エネルギー車産業が急速に拡大しており、省政府は200億元規模の産業基金を通じて電池関連事業を重点的に支援している。特に、無縫製の長短ブレード型方形電池ケースは電池の安全性を左右する核心部品であり、国軒高科（合肥）、比亜迪（BYD）合肥基地、中創新航（CALB・合肥）など主要メーカーが存在する同地域では需要が急増している。

本プロジェクトの技術課題は企業の事業計画と密接に結びついており、また安徽省の産業政策にも合致する。突破口が開かれれば、製品品質と生産効率の大幅向上が期待され、同業他社に対する競争優位性を確立できるだけでなく、安徽省全体の関連産業の競争力強化にも資する。

さらに、本プロジェクトで採用される押出・引抜き技術は、従来のプレス加工や溶接技術に代わる成形手法として、生産効率の高さ、製品品質の優位性、設備投資の少なさなど多くの利点を備えている。対象製品は大寸法かつ薄肉構造であり、管形と寸法精度に対する要求水準が高いことから、技術的難度も大きい。現時点では市場において対応可能なメーカーはごく限られており、高い技術的参入障壁を有している。

仮に本技術開発が実現すれば、新エネルギー車用アルミ構造部材分野において圧倒的な競争優位性を確立し、高精密アルミ押出・成形分野において質的な飛躍を遂げることが可能になる。

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