プリベイク陽極価格 6月高値を更新、7月小幅な反落を予想

22年6月の中国のプリベイク陽極(国家標準TY-2)の平均市場価格は7,760元/トンで、前期比3.8%上昇、1月より55.6%上昇の2,770元/トン、1月から6月までの陽極平均価格は6,377元/トン、年始の累計より2,457元/トン上昇した。ロシアのウクライナイへの侵攻や新型コロナウィルのパンデミックの影響で陽極の価格上昇が加速し、その上コストの上昇と需要拡大によって陽極は再び過去最高価格を更新した。

2月に始まったロシアの侵攻により原油価格は幾度となく高値を更新し、原油価格の上昇に伴い陽極コストも上昇した。「安泰科」の統計データによると、5月の華東地区の陽極製造コストは前年同月比58.8%増の6,620元/トン。陽極製造コストのうち、石油コークスは74%を占め、価格は前年同月比88.5%増の4,450元/トン。次いでコールタールピッチはコストの16%を占め、価格は30.0%増の6,100元/トン。

それによって、プリぺーク陽極を主力事業とする上場企業の「索通開発」の2022年第1四半期の報告書によると、同社の同四半期純利益の株主に帰属する当期純利益は前年同期比44.2%増の158万元となった。

「安泰科」の統計データによると、2022年5月の国内陽極生産能力は2789万トン/年で、1月から5月までの新規の生産能力はなかった。5月の国内陽極生産量は前期比2.2%増、前年同期比1.6%増と単月で過去最高の182万トンとなり、業界の稼働率は76%超に達したという。華東地区では、第1四半期に生産制限が解除され、特に主要な陽極生産地域である山東省や河南省では、企業がフル稼働あるいは生産能力以上の生産を行っている。しかし、第1四半期の生産制限による生産未達量はまだ埋め合わされていない。1月から5月までの陽極生産量は前年比2.6%減の849万トンで、供給量は小幅な減少となった。

陽極の需要は着実に増加しており、電解アルミニウム企業の生産再開も加速している。「安泰科」によると、5月の中国国内電解アルミ生産量は344万4千トン、アルミ生産ロス1トン当たり470kgとして計算した場合、陽極需要は前期比1.7%増の162万トンだ。対外輸出は高水準を維持しいる。税関総署によると、中国の4月の陽極輸出量は前年同期比17.1%増の18万4千トン、1月から4月までの累積輸出量は前年比30.5%増の65万4千トン、主にマレーシア、ノルウェー、カナダ、アラブ首長国連邦、ロシア連邦に輸出しており、これら国への輸出は合計53万7千トン、全体の82.2%を占めている。平均輸出価格は1002米ドル、前年同期比33.7%増、陽極の輸出は数量、価格ともに上昇した。

現在、中国国内の陽極メーカーが活性化している。6月に「広西田林」の年産40万トンの炭素プロジェクトと内モンゴルの年産13万5千トンの技術改革プロジェクトが稼動し、第3四半期に生産実績が積みあがる見通しだ。雲南省の年産30万トンの炭素プロジェクトは第3四半期に稼動する予定で、下半期にはさらに供給が増加する見通しだ。また、6月の石油コークス価格の反落と輸入コークスの到着は国内の高硫黄コークス価格に影響して大幅な値下がりを見込んでいる。「安泰科」は7月に国内陽極価格が若干反落すると予想している。

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