非熱処理型アルミ合金、再生アルミメーカーの発展契機に(注目)

一体型大型アルミダイカスト技術はテスラ社に採用されて以来普及が進み、各大手自動車メーカー向けの新たな工法となり、自動車生産に革命をもたらしたとまで評価されている。では、ダイカストにはどのようなメリットがあるのだろうか。また、非熱処理型アルミ合金はどのような役割を担っているのだろうか。

1.ダイカストの魅力:

生体工学とトポロジー最適化技術に基づき、性能に応じた薄肉で複雑な設計構造が可能となり、これに真空高圧ダイカストを組み合わせた結果、テスラは6,000㌧のダイカストマシンを使って、従来70個ほどあった部品を1~2個の大型部品に統合することに成功している。ダイカストのメリットは明らかである。まずは、部品の数を劇的に減らすことで、生産効率を大幅に向上させていること。次は溶接工程を省いたことで工場の床面積を減らし、コストの削減効果が著しい。更に、自動車の安全性を高め、軽量化により航続距離を伸ばすことができる。

2.非熱処理型アルミ合金:

ダイカストでは、鋳造投影面積が広いため、複数個から数十個の部品が1つに統合される。従来のアルミ合金にとって、熱処理はダイカスト部品の機械的性能を保証するのに必要な工程だった。

ところが現状では、熱処理で部品に変形と表面欠陥が生じやすくなっている。ダイカスト部品にとって、通常熱処理による変形は避けられないものである。微調整によってある程度寸法精度を向上させることができるが、同時にスクラップが大量に発生するため、歩留まり悪化を招き(付け加えてコストアップの理由をわかりやすく工夫しています)コストは大幅に上昇してしまう。いっぽう、非熱処理型アルミ合金が、大型ダイカスト部品の製造を可能としたのである。

アルコア社やラインフェルト社などの海外企業は、非熱処理型アルミ合金について長年にわたる研究の蓄積の結果、成熟した合金グレードをそろえており、テスラもすでに新規の合金グレードを複数申請している。国内企業も、大型薄肉ダイカスト部品向け非熱処理型合金材の開発に積極的に取り組んでいる。現在のところ、すでに関連特許を取得しているのは「広東鴻図」のような鋳造品メーカーもあれば、「立中グループ」、「瑞格金属」、「永茂泰」を含む再生アルミメーカーや上海交通大学などの大学もある。他にも多くの企業が研究開発・サンプル提出・特許出願に積極的にとりかかっている。

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