生産能力が上限に達し、アルミ価格は高止まり

概要:

欧州のアルミ減産は続いており、また国内の「ダブルカーボン」方針を背景に国内でのアルミの供給が減少した。これに伴いアルミの価格は今週に入り週内の高値を付けた。アルミの価格は22000元/トンに迫っている。国内の需要は閑散期に入り、川下の買い意欲は薄い。春節に近づき、国内の需要がさらに弱まっている。ヨーロッパ各国の電気価格が下落したものの、生産コストはまだ高位にあり、減産リスクを警戒しなければならない。アルミの在庫量が減少し続け、短期的に、価格は高止まりすると思われる。

ボーキサイトの供給がタイト:

税関総署の最新データによると、11月のボーキサイト輸入量は771万トンで、前期比19.3%のマイナス、前年同期比でも4.4%のマイナスとなった。1月から11月までののボーキサイト輸入量は9869万4千トンで、前年同期比5.2%マイナスであった。鉱山での浸水事故は、北方地区の鉱石不足を激化させた。一方11月のボーキサイトの輸入量は急減した。年末には市場は沈静化する。短期的にはボーキサイトの輸入量は減少し流通在庫も落ち込むが、価格への影響はなく、よって価格の変動も少ないであろう。

需要はエンドユーザーの需要に左右される:

1月12日、工信部は2021年の自動車工業発展状況発表会を開催した。2021年の乗用車販売台数は2148万2万千台で、前年同期比6.5%増となり、2018年以来3年連続の減少傾向を示した。2021年のEV車の生産・販売数はそれぞれ354万5千台と352万1千台を達成し、前年同期比1.6倍のプラス。市場占有率は13.4%に達し、前年比では8%の増となった。同会によると、2022年のEV車の販売台数は480万台と予想されていたが、現在は550万台以上に見直しされる勢いで、EV車の浸透率は25%前後に達している。実際のところEV車の販売台数は600万台を突破すると期待されている。補助金制度の活用は順調で、これにより2022年の中国のEV車の販売台数は押し上げられ、成長トレンドは引き続き高いレベルを続けていくであろう。

総括:

アルミ生産能力に上限があることで、供給余力が弱められている。生産能力は約4500万トン前後に制限されている。21年11月の既存の有効生産能力は4283万トンで、今後の増分余力は最大約300万トンである。その外数である「雲南鋁業」で特別許可された85万トンの生産能力を考慮しても、今後積み増しできる供給量は少ない。冬季五輪は間もなく開催され、また雲南省は枯水期にあり、電力供給の余力は少ない。ヨーロッパのエネルギー問題が原因でアルミの供給が引き締まる。天然ガス価格が高止まりしているため、ヨーロッパのアルミ製錬所の閉鎖と操業停止に引き続き注意を向ける必要がある。当面アルミの価格は高止まりするだろう。

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