上半期のアルミ価格高止まり 自動車電力など需要が牽引
「東方財富Choice」によると、7月16日時点でA株アルミ上場企業26社中14社が上半期業績予想を発表。うち、13社は増益、1社は赤字だった。昨年同期比で、11社は増益。うち「神火HD」、「東陽光」など7社の上昇幅は100ポイントを上回った。
「今年上半期のアルミ価格はここ数年で高値圏にある。アルミ関連企業の収益は当面の好調さが予想されている」非鉄業界アナリストは、需要面ではアルミ使用量の多い不動産業の景況感がやや不調だが、自動車・電力向けが好調でアルミ需要を牽引したと分析している。
1.アルミ価格の高止まりで関連企業の業績上昇が見込まれる:
諸データによると、2022年上半期以降、繰り返される新型コロナウィルス感染とロシアのウクライナへの侵攻の影響を受け、アルミ価格は大きく変動している。上海アルミは24020元/トンと過去最高値に迫る上昇を見せた。IMEアルミ価格は幾度となく高値を更新し、最高値は3766ドル/トンに達した。アルミ価格が高止まりしており、複数の上場企業は業績の拡大を発表した。
「宏創控股」は去る7月15日に業績予想を発表した。2022年1月から6月までの利益は45百万元から58百万元と赤字から黒字への転換を見込んでいる。2022年上期のアルミ価格の上昇、輸出に有利な為替の変動、最適な製品構成、コスト削減が黒字化の要因である。
7月12日、「神火HD」は上半期の業績予想を発表した。上半期の純利益は前年同期比208%増の45億元に達すると見込む。業績伸長の要因は「神火アルミ」の90万トンプロジェクトが順調で、電解アルミ・カーボン製品の売価が前年同期比で大幅に上昇したことによる。
2.不動産景気が低迷 EV向け電池は需要増を牽引:
中国の電解アルミエンドユーザー市場で多消費分野は不動産・交通運輸・電力電子の3分野である。これらの消費量は市場の6割を占めている。3分野以外に耐久消費財・包装・設備器械の分野でも多くのアルミが消費されている。
国家統計局のデータによると、今年の1月~5月までの全国不動産投資は前年同期比4%減の5兆2134億元であった。分譲住宅の販売面積は昨年同期比23.6%減の5億738万㎡であった。不動産開発会社の住宅施工面積は前年同期比1.0%減の83億1525万㎡であった。新規住宅着工面積は30.6%減の5億1628万㎡であった。また竣工住宅面積は15.3%減の2億3362万㎡。Mysteelの統計データによると、今年の1月~5月までのアルミ型材生産高昨年同期比5万トン減の223万3200トンであった。
不動産業向けアルミ使用量は前年比2016年の32%から2021年の29%に減少したが、運輸・電力電子・包装などの分野向けアルミ需要は多岐ににわたり増加している。特に新エネルギー車と車体軽量化という国家方針の恩恵を受け、運輸向けアルミ使用量が拡大し続け、アルミ需要増加の主要因となった。安定的な上昇を背景に、新エネルギーのインフラ整備向けの増加も期待され、太陽光発電所の建設は電子電力業界向けのアルミ使用量を促進させる。今般、CAAM(自動車メーカーの中国の協会)が発表したデーターによると、上半期の自動車の生産台数と販売台数はそれぞれ1211.7台と1205.7万台に達した。そのうち、6月の販売状況は改善された。当月の生産台数と販売台数はそれぞ249万9千台、250万2千台で、それぞれの前期比は29.7%増、34.4%増で、前年同期比は28.2%と23.8%である。特に新エネルギー車の普及率が上昇し続け、これによってアルミニウム製品の需要も急拡大していくことが予想される。
首創証券は、2022年中国の新エネルギー車でのアルミ使用量は去年同期比38万トン増の108万に達すと予想している。太陽光業界でのアルミ需要はフレームと架台にある。フレームと架台の使用量はそれぞれ1.3万トン/GWh、0.7万トン/GWhである。「安定的な成長を背景に、エネルギーのインフラ整備向けの増加が期待され、2022年のPV用アルミ使用量は同期比50万トン増の324万トンとなる見込む。」と分析している。
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