アルミの建材需要は縮小、新エネルギー産業向けは今後に期待(注目)
財聯社(メデイア)によると、不動産不況や新型コロナウィルスそしてEUのアンチ・ダンピング措置が重なり、例年消費が活発になる9月と10月だが、今年は国内の消費も輸出量共に縮小している。このような量の減少状況下ではあるが、新型太陽光発電設備や新エネルギー自動車産業向けの需要は伸び続けている。しかしながら不動産業界が持つ需要量に比較すれば、まだその比ではなく需要の補完力は限定的である。今後に期待する。
建材向け需要は弱含み:
アルミの主要な消費分野である建材向けだが、今年の「金9銀10」にあっても需要が大幅に低下している。
財聯社によるとと、今年の不動産市場におけるアルミ製ドア・窓、装飾材などのアルミ需要は、全体的に昨年比で2-3割ほどの落ち込みを記録している。
「今年の5月、6月の市場はまだ、なんとかもっていたが、9月に入ると、激減した」とは某氏の語ったところである。
また、「今年の受注内容の特色は、中古住宅のリフォーム受注である。今住宅価格の下落した金額分は、住宅のリフォーム・装飾に充てられ、ドア・窓の取り換え需要は昨年より多い」とあるアルミ材取り扱い店主が語っていた。
2021年の不動産関連業界で消費されたアルミは1000万トン以上で、国内全体のアルミ使用量の30%以上を占めたことがわかった。
参考:「金9銀10」とは9月と10月に中秋月と国慶節の大型連休で消費がピークを迎えるが、この繁盛する時期のこと。
工業向けアルミ需要も前期比で下落:
不動産向けに加え、9月には工業向け需要も減少の兆しを見せている。
NCマシン加工を主力とする「廣翌精密」の今年下半期の受注量は大幅に減少した。同社の責任者によると「今年9月の受注量は前期比、前年同期比共に30%以上の減少」という。また「受注量の減少は、不動産市場の低迷、顧客の消費動向、及び原材料価格の上昇といった多面的な要因」と語った。
更に、海外からの注文量の減少による影響も著しい。今年8月の中国のアルミ輸出量は54万400トンで、前期比11万1800トンの減少だった。
新エネルギー需要の拡大が続く:
全体的に、アルミの消費は減少しているが、新エネルギー自動車や太陽光発電の見通しは明るく、この分野でのアルミの需要は高い成長率が維持されている。
この中で、注目すべき点は新エネルギー車及びアルミ合金材料の軽量化、新エネルギー電池パックの製造向けでアルミの使用量が多くなっていることだ。
更に、あるデータによると、今後太陽光発電向けの供給比率は2020年の3.3%から2025年には7.2%に上昇し、新エネルギー自動車用にはその比率を2020年の1.1%から2025年には10.1%に高まる見込みである。したがって、将来の新エネルギー産業はアルミに対する需要を徐々に高め、アルミをグリーン金属として徐々に特性を高めることになるだろう。
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