アルミ需要回復の兆し、価格の大幅な上昇は見込まず

海外メディアによると、世界経済の成長懸念から、LMEアルミ価格は2022年の高値から約40%下落したが、アナリストはクリーンエネルギー分野からの需要増加により、アルミ価格は「底値に近づいた」可能性があると指摘した。アナリストやトレーダーはアルミ需要の見通しについて強気の構えである。

①アルミ価格は底値を探る?:

LME3ヵ月先渡し価格は1月のピークから5分の1近く下落し、昨年の高値からも40%以上下落している。主な原因は欧州と米国の景気後退と中国の建設セクターからの需要減退にある。しかし、多くの生産者やトレーダーは電気自動車やソーラー・パネル・メーカーからのアルミ需要の増加を見込み、中期的なアルミ価格の見通しについては楽観的な見方を強めている。今月のアルミ価格は金融危機以来最大の先物スプレッドを記録した。これは先物価格がスポット受渡価格を大きく上回ったことを意味し、足元のスポット需要の不調を浮き彫りにした。

②中国アルミ市場に明るい兆し:

現在世界最大のアルミ生産国であり消費国でもある中国は、クリーンエネルギー・インフラの需要増が不動産セクターの需要減を補っている。この分野での需要増は、アルミ市場の明るい兆しである。トラフィグラ(Trafigura)の金属リサーチ部門責任者であるグレーム・トレイン氏は、

中国の新エネ関連のインフラ整備の力強さが、低迷している不動産市場からの需要減を補って余りあると語った。

太陽光発電の枠にはアルミフレームが多く使用されており、アルミ需要は旺盛である。また、電気自動車は従来のガソリン・軽油を消費する自動車よりも、軽量化を目的に多くのアルミを必要とするが、これも中期的なアルミ需要増加の源泉となる。中国の税関データによると、中国の7月アルミ輸入量は前年同月比で20%増加した。

しかしアナリストは、中国国内のアルミ生産量が増加し過去最高量に近接しているため、新エネ関連の旺盛な需要をもってしても世界のアルミ価格を押し上げるほどの力はないと述べた。

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