Mysteel:2月の電解アルミコスト上昇とアルミ価格の変動

Mysteelアルミニウム研究チームの試算によると、2026年2月の中国電解アルミニウム業界における加重平均完全原価は15565元/トンとなり、前月比77元上昇した。一方、同期の上海鋼聯によるアルミインゴットのスポット平均価格は23386元/トンとなり、業界の理論上利益は7821元/トンとなり、前月比622元減少した。全体として、コストの上昇とアルミ価格の小幅な下落が重なり、業界の利益幅は縮小傾向を示したものの、依然として高い水準を維持している。

電力コスト小幅に低下

 Mysteelがまとめた2026年2月の中国電解アルミニウム業界の加重平均電力コストは、0.402元/kWh となり、前月比0.001元低下した。2月の国内石炭市場は強含みで推移した。主産地では春節休による操業停止と節後の生産再開の遅れから供給が制約され、生産量の回復が想定を下回ったほか、輸入炭の国内到着量が一時的に減少して良質な供給の逼迫感が強まった。需要側では、節後の操業再開に伴い工業企業の在庫補充需要が集中的に顕在化し、非電力分野での調達意欲も同様に高まった他に、需給のミスマッチが坑口および港湾での石炭価格の持続的な上昇を促した。契約周期の影響を受け、加重平均自家発電価格は0.358元/kWhとなり、前月比0.002元減少した。南西部では枯水期が続き外購電コストは横ばいだったが、蓄電設備の整備や送電網の最適化及び太陽光発電と風力発電など再生可能エネルギーの導入拡大により、同エリアにおける枯水期の電力供給力は大幅に向上させた。このため、業界の加重平均外購電コストは0.46元/kWh(となり、前月比0.001元低下した。

 3月の見通しについて、主産地の石炭生産再開は徐々に加速する見込みだが、会議期間中の安全規制強化が依然として供給の回復を制約する見通し。港湾在庫は低水準が続き、早急な改善は難しい。輸入炭の価格逆転現象もしばらく続き、国内取引石炭の供給は依然として逼迫した状態が続く見込み。需要面では、北部地域の暖房需要が徐々に終了に向かう一方、工業生産の本格的な再開により非電力分野の石炭需要は繁忙期を迎える。発電所では必要に応じた在庫補充が継続しており、需要先の価格受容感度もやや高まっている。こうした背景の下で、石炭価格は高値圏での変動が続き、上下とも変動幅は限られるとみられる。また、外部購入電力については、南西部では依然として枯水期にあり、地域の電力価格は横ばいで推移している。総合的にみると、2月の国内電解アルミニウム企業の総合電力コストは安定して推移する見込み。

アルミナ価格、短期的に下支え

 2026年2月の国内アルミナスポット価格は横ばいで推移し、月末にかけて一部地域で小幅に反発した。今月のアルミナ加重平均価格は2632元/トン、前月比20元(0.75%)下落した。今月上旬は、アルミナ工場のメンテナンスによる減産が相次いだものの、稼働生産能力は依然として段階的高水準にあり、需給の逼迫感は緩和されていない。春節が近づくにつれて、下流のアルミニウム工場での在庫補充はほぼ完了し、アルミナ工場は事前に在庫を削減した。このため、短期的には現物の流通量が引き締まり、売り手の提示価格は相対的に堅調。市場では定例の入札調達を除き、全体的に取引の活発度は低かった。中下旬にかけては、北部地域の某大手アルミナ工場の突発的な減産の影響を受け、短期的な供給が縮小した。これにより在庫保有業者の強気姿勢や売り渋りの動きが強まり、スポット価格は小幅に反発した。ただし、今回の価格上昇はやや力強さを欠いた。これは、駅留置きや受渡し倉庫に滞留する在庫の規模が依然として大きいことに加え、ベーシスの縮小に伴い先物・現物商社の売り出し意欲が高まった一方で、下流アルミ工場側からの倉荷証券に関する積極的な引合い・購入意欲は低かったため。また、また、利益面の理由から前期に減産したアルミナ工場は、近期の相場価格の動向を様子見している。生産コストの低下に伴い、業界利益が急速に回復すれば、再稼働のペースが加速する可能性がある。加えて第 2 四半期には新規生産能力の稼働開始も見込まれるため、ファンダメンタルズは再び弱含みとなる。

 2月のアルミナ新規増産設備は予定通り稼働に至らなかった。加えて北部地域で突発的な減産が発生したため、同地域の流通現物は短期的に逼迫しており、商社及び下流工場の引合い・調達意欲が高まり、在庫保有業者の値固め・売り控えのムードが強まっている。一方、海外では供給過剰見通しが存在し、3月には新規生産能力が順次放出される見込みで価格は短期的に一定の支えを得ているものの、中長期的な上昇力には欠けるため国内アルミナ価格は狭幅でもみ合う傾向があり、価格レンジは2,600~2,800元/トンとなると見通し。

焼成陽極は先安後高の展開を見込む。

2月はコスト面が弱基調で推移した影響から、当月の焼成陽極は下落基調が続いた。山東地区の大手電解アルミ製錬所の同月の焼成陽極購入基準価格は1月比トン当たり95元減少し、現金決済価格5229元 /トン、手形承諾決済価格5261元/トンで執行した。2026年の年初以降、焼成陽極の市況は連続で下落しているが、原料相場と比べると今回の下落幅は緩やかで、市場予測の範囲内にとどまっており、業界の収益力は比較的安定している。また、当月には春節休暇が重なったが多数の陽極メーカーは休暇中の操業を安定的に維持し、北方地域では大気汚染日数が前月比で減少したものの、暖房期の環境規制による減産が常態化しているため、、企業の稼働負荷に大きな変動はない。休暇による陸上輸送制限があったため、上流・下流ともに事前の計画に基づく在庫調整を進めた。下流の電解アルミ工場の稼働は堅調に推移し、焼成陽極の生産・販売は総じて良好な状況となった。

 3月に入り、地政学的リスクの影響で石油コークス市場の取引活気が高まり、下流の調達意欲は高く、価格は大幅に上昇した。コールタールピッチもコスト面の強力な下支えを受け、同様に値上がりした。Mysteelの試算によると、現時点での焼成陽極の生産コストは2月比で1トン当たり632.2元増加している。ホルムズ海峡の海上輸送が停滞したことで、複数の産油国で輸出が滞っている。現時点では石油コークス市場の供給逼迫傾向がまだないものの、原油コストの上昇や供給逼迫への懸念を背景に、紛争激化後は各グレードの石油コークス価格が引き続き上昇する見通し。また、短期的にコールタール市場の有利材料が増し、価格には一段の上昇余地が残る。コスト面からコールピッチに強固な支えが与えられている。さらに、また、二次加工メーカーの稼働負荷は狭幅で低下しているが、コールピッチの出荷圧力は大きくない。二次加工各企業は新規成約分で積極的に値上げを推し進め、コールピッチ相場は上昇基調を継続する見込み。

コスト構造の限界的調整

 Mysteelの試算によると、2026年2月の電解アルミ完全コストについて、アルミナコストは35%占め、電力コストは約33%を占め、陽極コストは16%に小幅に減少された。2026年3月を見通すと、アルミナ価格・焼成陽極価格が上昇し、電力価格は比較的安定推移していると見込まれる状況下、コスト構造には一定の変化が出来る見込み:アルミナ及び焼成陽極のコスト構成比は小幅上昇が期待され、電力コストの構成比は相対的に低下すると予測される。

電解アルミコスト構成の変化トレンド

コスト差が小幅に拡大する

 2 月は、系統電力と自家発電の電力価格差が小幅に拡大し、企業間の電力コスト格差が広がった。また、アルミナ価格の上昇に伴い、自社生産アルミナと外部購入アルミナを使用する企業間のコスト差も小幅に拡大した。現在、電解アルミ業界のコストレンジは14,000~19,000元 /トンで、高低コスト格差は4,465元 /トン、1月比12元拡大した。このうちコストが15,000~18,000 元 /トンに収まる生産能力の構成比は88.4%に達する。今期のコスト試算結果によると、自家発電と購入電力の価格差拡大を背景に、新疆が引き続き業界で最も収益性の高い地域となっている。

全業界における高収益の定着化

 収益面では、2月の加重平均コストによる試算では、コストが小幅上昇しアルミ価格が調整安となった状況下、業界利益は前月比7.4%減少し、7,821元/トンとなった。現在の国内電解アルミ稼働生産能力は、現金コスト・完全コストのいずれの基準でも全面的に収益化を実現した。アルミナの上昇力が乏しく、電力供給が安定化している前提では、電解アルミ業界は低コスト・高利益の傾向が続いて行く見込みが強い。。  Mysteelの試算によると、短期的にアルミナ価格が強含み、焼成陽極価格はコストの支えに基づいて上昇し、電力コストは概ね安定する環境下において、2026年3月の中国電解アルミ加重平均完全コストは2月比でトン当たり約180元上昇する見込みが、実際のコスト変動は、各アルミ製錬所の原料調達タイミング及び在庫消化の進捗に依存する。中東情勢の影響によりアルミインゴット価格の変動が激化し、全体はもみ合い推移を示している。アルミ価格中枢は前期より上方に移行しているものの、コスト面の押し上げが継続するため、業界収益水準は前月比で圧力を受け、利益幅はさらに縮小する可能性が高い。

                              詳細情報については、当サイトにお問い合わせください

尚、お問い合わせは:kimei-chou@bjpait.com

免責事項について:
・掲載したニュースは、すでに公に発表された諸情報を日本語に翻訳してお届けしています(情報源は問い合わせ可)。
 ニュースの内容は、本サイトがその見解を支持することを意味するものではなく、必ずしも正確性・信頼性を保証するものではありません。
・本サイトに掲載されている文章、画像、音声、映像などの著作権は、原権利者に帰属します。本サイトおよび原権利者の許諾を得ずに、私的複製やアップロードすることはできません。
・本サイトは、本サイトにおけるコンテンツの不適切な複製または引用によって生じた民事上の紛争、行政上の処理、およびその他の損失について責任を負いません。
・本サイトに掲載されている資本市場や上場企業に関する記事は、いかなる投資助言を行うものではなく、投資案件についての助言として利用する場合は、自らの責任で行ってください。
・誹謗中傷、宣伝行為、および法律・当サイトのポリシーなどにより禁止されているコメントは、管理人の裁量によって承認せず、削除することがあります。

コメントを残す

コメントを投稿するには規約をご確認のうえ、会員登録をお願いします。【会員規約】

会員の方はこちらからログインをお願いします。 【ログイン】