再生アルミ生産能力185万トン増加 稼働率約半分に(注目)

上海金属市場によると、21年中国で新規に増加した再生アルミの生産能力は再生アルミ合金117万トンを含めて185万トンで、設備容量は1,196万トン。しかし、川下のスクラップ不足・エネルギー消費抑制・アルミ合金地金の大量輸入などが原因で、新増設された設備を含む再生アルミ設備の平均稼働率は44.7%まで低下した。これは、前年比4.2%のダウン。

2022年の再生アルミ生産能力の新規増加は前年に比べ減少するとの予想。SMMによると、生産能力の新規増加分は180万トンで、そのうち再生アルミ合金は87万トン。

直近の自動車販売台数は落ち込んでいる。再生アルミ合金の生産量・消費量は燃料自動車向けが多く、再生アルミの販売競争は激しくなってきている。また、新エネルギー車の多くは一次アルミ合金を使用するため、大量廃棄には少なくともこの先5~8年間必要である。そのため、従来の二次アルミ合金の需要は停滞もしくは後退する可能性がある。いっぽう、アルミ製錬能力の引き上げ抑制と、海外における環境フレンドリー型循環経済への意識の高まりにつれ、アルミ合金向け原料としてのアルミスクラップはますます重視されてきている。

すでに「明泰鋁業」や「南山鋁業」などの大手アルミメーカーは再生アルミ市場に参入し始めている。2021年再生アルミ合金の生産能力が68万トン新規増加し、今年は更に93万トンに増える見込。

新規生産能力が伸長していく地域として、江西省・河南省・広西省・安徽省・雲南省などが有力視されている。

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