自動車軽量化の時代に河南省のアルミ産業をどう進化させるか?
河南省は昔からアルミ産業に優位性を持っている。河南省は長年の発展を経て、アルミ産業全体のチェーン化が構築されており、川下のアルミ加工業に至るまでまぎれもなくアルミ加工業で栄えてきた省と言える。注目すべきは、近年、川下で消費されるアルミの種類に構成の変化がみられているが、このことが河南省のアルミ産業に新しい機会と目標が生まれている。
その材料であるが、自動車軽量化の必要性ますます明らかになっていて鋼の代わりに使われるアルミは、軽量化の重要な方法の一つとみなされている。そこで多くのアルミ材料の企業は、この軽量化市場に割って入ろうとしている。では、今日の自動車軽量化の時代で、河南省のアルミ産業の既存の優位性は何か?そして、どのように既存の優位性を次の時代の優位性につないでいくのであろうか。
自動車の軽量化の中で新たなアルミ加工時代を迎えた:
河南省非鉄金属業界協会のデータによると、2020年の全省のアルミナ、電解アルミ、アルミ加工材の生産量は1011万トン、176万トン、1032万トンで、全国の生産量の内、16.0%、4.8%、17.9%を占め、全国順位はそれぞれ3位、8位、2位となっている。
河南省非鉄金属業界協会の張氏によると、河南省のアルミ産業は基本的に「ボーキサイト-アルミナ-電解アルミ-アルミ加工-高付加価値加工」と全産業をカバーしており、「河南省アルミ工業転換発展行動案(2018-2020)」が発表されて以降、品質の向上などを計りながら、アルミ加工材料の生産を着実に増加させてきた。
それは、川上の鉱物資源採掘すなわち鉱業のボーキサイト、中間に位置するアルミナと電解アルミは、製品が標準化されるいわゆる製造業であり、はたまた川下のアルミ加工産業は顧客の異なるニーズに応える産業である。それぞれ必要とされる技術のレベルは高い。
業界関係者によると、河南省のアルミ加工材料の生産量は、全国順位も高くランクされており、アルミナ、電解アルミよりの順位より高い。これは河南省が誇るアルミ産業の優位性である。建設、自動車、その他の製品動向の変化に伴い、河南省のアルミ産業はより付加価値の高い川下のアルミ加工業に目を向けている。
アルミ業界の目指すところはなにか。今後も不安のある不動産向けの建築需要から、軽量化を目指している自動車向けに主軸を移すべきと考えられている。「カーボンピーク」「カーボンニュートラル」が謳われていることから、自動車の軽量化はアルミの成長をもたらすと予想される。
自動車の軽量化に携わる河南省のアルミ企業の2つの挑戦:
調査によると、従来の燃料車の場合、車の燃料の約60%が重い車の走行に使われており、乗用車の重量を100kg減らすごとに、100km走行あたり0.39リットルの燃料を節約することができる。車体重量を10%削減すると、燃料消費量を6〜8%削減でき、その結果、CO2の排出量を5〜6%削減することができる。新エネルギー車の場合、車の重量は即CO2の排出量に影響する。
同業界関係者によると、自動車の材料は主に鋼を使用しているが、アルミの比重は鋼の約1/3しかなく、アルミ合金の性能は車が要求する要件を満たす、鋼の代わりにアルミを使うことで自動車の重量を大幅に削減することができ、強度、熱伝導性、耐食性、リサイクル性などを勘案するとアルミ合金材料は鋼に取って代わることができるという。
自動車の構成から見ると、ボディ、ホイール、パーツ、パワーバッテリーなどの自動車軽量化のためのアルミの需要は高く、協会はこの分野の研究に重おきを置いている。
しかし、河南アルミニウム産業が自動車業界に進出することは容易ではない。厳しい自動車メーカーの認証プロセスを得なければならないだけでなく、技術上の諸問題を解決していかなければならない。
業界関係者によると、アルミニウム合金自動車部品は厳格な材料認証、製品認証、自動車生産品質管理システム(IATF16949-2016)認証に合格すること、そして自動車メーカーや一流自動車部品サプライヤーの内部認証にも合格する必要がある。そしてこれが大きなジレンマだが、地元に自動車メーカーがほとんど存在していないということである。
さらに、業界関係者によると、自動車およびその他の工業用アルミニウム形材の品質要件は、まったく異なるもので顧客の要求に合わせた製品を用意しなければならない。特に合金の製法、製造技術、プロセスの最適化、経験などの面では、長い時間の蓄積と試行錯誤が必要とされる。
河南アルミニウム産業の進歩的な姿勢を語る当業者:
公開情報によると、河南省に上場しているアルミ会社である「明泰鋁業」は自動車用アルミ板や新エネルギー車用のバッテリートレイなどさまざまな自動車用軽量材料を絶えず商品化している。「中孚実業」の子会社はアルミ合金ホイールに進出している。三門峡にある「宝武鋁業」と「戴卡ホイール」は主にアルミ合金シャーシと軽量ホイールを事業化している。
しかし、自動車の軽量化は国内のアルミ企業間で激しい競争を繰り広げており、その中にあって「立中集団」、「豪美新材」、「南山鋁業」などの産業は事業目標を立て、進歩を遂げている。河南アルミニウム産業各社が既存の利点をどのように組み合わせて発展していくのか、すべての当業者にとって関心の的になっている。
自動車業界の関係者は、河南省はアルミ加工材を大量に生産しているが、ほとんどがローエンド製品で自動車用に使用するための基準を満たせていない。河南省の企業は業界の変化にしっかりと対応すること。より市場で行われていることにしっかりと目を向けること。顧客である自動車メーカーや自動車部品メーカーと積極的につながり、ニーズをとらえ、それを研究開発のテーマに取り入れること。または生産ラインを改善していくことなどが必要であると語っている。
張氏も河南省のアルミ企業は川下企業との接触を密にする必要があるなど同様のことを指摘している。
張氏はまた次のように語った。「河南省のアルミ産業は自動車の軽量化に欠かすことができない存在である」。アルミ産業がその優位性を確固たるものにするため、協会は昨年12月16日に河南省で自動車軽量化の川上と川下企業の交換シンポジウムを開催しました。河南省主要な自動車会社10社とアルミ会社18社が参加し、それぞれの事業を紹介しながら自動車軽量化に関連する課題について話し合った。対面形式で製品やニーズの意見交換を通じて、協力体制を高めた。
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