電池用アルミ箔 需要急増なるか(注目)

中泰証券は、SMMのデータを解析し、リチウム電池向け銅箔の価格は年初からこの頃まで1万元ほど下がったのに対し、アルミ箔の価格は高止まりしていると発表した。またリチウム電池向けアルミ箔の需要が急増している中、従来のメーカーとの競争に挑む新規参入者がますます増えている、と調査結果を発表した。

中泰証券の主な見解は以下の通りである:

1.なぜリチウム電池向けアルミ箔の需要は爆発的に増加していくと判断できるのか:

新エネ車+蓄電」の2つの推進力で、ナトリウムイオン電池にたいする更なる容量拡大が期待されている。今年、全世界の新エネ車販売台数は前期比57%増の1,000万台を超え、これに対応するパワーバッテリーの生産量は前期比64%増の644GWに達すると予想されている。1GW当たりのアルミ箔需要量はリチウム電池向けに400㌧、ナトリウムイオン電池には700㌧とした場合、2022年~2023年の期間、需要量はそれぞれ55%増の32.7万㌧と36%増の44.4万㌧になる。2025年までに、電池用アルミ箔の市場規模は80万㌧に倍増し、3年間のCAGRは35%になると見込まれている。銅箔と比較して、リチウム電池用アルミ箔の原料となるインゴットの価格と加工費が共に低く、電池メーカーのアルミ箔複合材への緊急需要は少ないため、今後もリチウム電池用アルミ箔が中心となるだろうと予想している。

2.需給バランスは悪化するのか:

技術と生産サイクル(通常は2~3年)に制約され、生産能力の新規増加は限定的である。バッテリーの安全性確保の上から、メーカーのアルミ箔の性能と品質についての要求が非常に厳しいため、生産技術が主なハードルの一つとなっている。新エネ車の需要急増に伴い、多くのアルミ箔メーカーがこの分野に注目し始めている。ただし、2022年に安定して供給できる企業はまだ「鼎勝新材」、「万順新材」、「南山アルミ」、「神火HD」および「華北アルミ」の数社を数えるしかない。リチウム電池用アルミ箔の生産量は2022年と2023年はそれぞれ32.5万㌧と44.5万㌧、対応する需給ギャップは-0.2万㌧と0万㌧で、需給バランスは当分タイトで、リチウム電池向けアルミ箔の地位は依然として盤石であることが予想されている。

3.現在の競争環境は:

これまで電池用アルミ箔はマイナーな製品として、あまりメーカーに関心が寄せられてこなかった。2021年までは、この業界で中心となる企業は「鼎勝新材」と「華北アルミ」の2社だけだった。「鼎勝新材」がこの業界に参入して以降この十年以上で、生産技術は成熟し、迅速な製品切り替え能力が備わった。リチウム電池用アルミ箔の出荷量は2020年の2.5万㌧から2021年の5.6万㌧へと倍増している。

4.今後の競争環境は:

引き続き寡占状態であろう。現在、CR3のシェアは70%近くあり、内「鼎勝新材」は約44%でしっかりと業界トップの座を占めている。特に現在、電池用アルミ箔業界の平均歩留まりは60%前後であるのに対し、大手は70%を超えており、トン当たりの純利益は他社を大きく凌駕している。ダブルゼロ箔の価格が高騰している状況下で、メーカーは電池用アルミ箔への切り替え意欲は弱い。新規参入者の場合、投資サイクルに制約されて、量産は2024年以降にスタートすると予測されている。従って、今年から来年にかけて、一極集中の寡占状態は継続すると予想されている。

5.価格は高止まり:

昨年の供給逼迫を受けて、電池用アルミ箔の価格は全体的に10%以上上昇した。2022年上半期、銅箔は値下げ圧力に晒されていた時期、リチウム電池用アルミ箔は供給タイトで、価格は高い水準を保持できていた。今後2年間、生産技術・歩留まり・投資サイクルなどの制約を受けて、業界にとっての好景気は当分継続すると予想される。

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