アルミ価格、最高値を更新利益6000元/トン

ロンドン金属取引所(LME)のアルミニウム先渡し価格(「LMEアルミ」)は3月3日、3,650ドル/トンをつけ、2008年の3,380ドル/トンの記録を更新した。

同日、香港証券取引所の「ロシアアルミ」(「ルサール」)の株価は急反発した。

「ルサール」は世界大手のアルミ製錬メーカーで、対ロシア制裁を受け株価は10取引日間でHK$9.2ドルからHK$3.47に急落、60%以上下落したが3月3日の終値は5.2%高のHK$3.65であった。

LME価格の上昇を受け、上海アルミ価格も上昇した。同日の終値は3.71%増の2.38万元/トンで、年初から17.6%のアップ。

高い相場を追い風に電解アルミ企業の利益率は高い水準に達している。「愛択コンサルティング」アルミ担当アナリストの張氏は界面新聞のインタビューで、アルミ業界のアルミ平均利益は6,000元/トン前後に達した。製錬メーカーの生産意欲も高いと述べた。

張氏によると、2011年から2019年までの9年間で中国アルミ製錬の平均利益が2,000元/トンを超えた期間はわずか4ヶ月であった。

しかし2020年上半期に至るとトン当たりの利益は千元以上を安定的に保った。その後、二重制限策と旺盛な需要に支えられ、トン当たりの利益は最高値を更新し続けた。Mysteelの計算によると、2021年アルミの利益は3,000元/トン~7,000元/トンに増加した。。

「現在の市場価格は外部要因が内部要因を強力に牽引している」と張氏は語っている。

また、LMEアルミ相場が過去最高値を更新し続けた理由に「中金非鉄」は次の4項目を挙げている。

1,ロシア・ウクライナ紛争が引き金となってヨーロッパのエネルギー価格が高騰し、アルミ製錬コストが大幅に押し上げられ、減産リスクが高まったこと。ロシア産の天然ガスはヨーロッパの消費量の3分の1を占めているが、ヨーロッパのアルミ製錬工場のほとんどは天然ガスと石炭を使って発電している。

「中金非鉄」によると、ヨーロッパの電解アルミ生産能力は326万トンで、現在155万トンの減産予定を発表している。現時点での減産は80万トンで世界の1.1%を占めるが、今後減産規模は拡大する可能性がある。

2,SWIFT制裁を受け、ロシアからアルミが輸出できなくなること。

ロシアはアルミの主要輸出国である。ロシアの税関データによると、2021年1-11月、ロシアのアルミ輸出量は319万トンで輸出額は約63.5億ドル。量と金額はそれぞれ前年同期比31%、66%の増化であった。

張氏はインタビューで、「「ルサール」の電解アルミの生産量は年間約400万トンで、そのうち約8割は輸出されている」と語った。

3,欧米の経済は回復が続いており、川下のアルミ需要の増加が予想されること。

張氏は、「中国市場はまだ本格的な需要のピークを迎えておらず、回復の途上にある 」。世界の主要市場での需要の伸びが予想される。

4,ロシア・ウクライナ紛争の現状と交渉状況から見て、短期的には終結の兆しは見えず、当分供給の逼迫が継続すると予想されること。

「中金非鉄」は、通常第1四半期に国内の電解アルミは在庫の積み増しが見られると指摘している。例年と比較して、春の到来とともに、徐々に川下の在庫の補充が行われ、その後在庫が消化されていくと指摘している。

上海金属市場 (SMM) によると、3月3日国内電解アルミの在庫量は112万トンで、前月比1.9%増、前年同期比1.75%減となった。

「信達先物」は、春節明けに国内アルミ企業の多くは操業再開を計画した。雲南省や山西省などでは操業が再開され、2022年通年では247.7万トンの再稼働の内現状は122万トンに達している。

「信達先物」によると、2-3月はまだオフシーズンで、末端の需要は少ない。中期的に、国が次々と景気浮揚策を打ち出し、不動産市場の自由化政策も導入していくことから、インフラや不動産需要の回復が期待できる。今後自動車と新エネルギーの需要も大幅に増加すると予想されている。

張氏は界面新聞のインタビューで、ロシア・ウクライナ紛争、欧州のエネルギー供給コストの増加、「ルサール」の輸出制限、国内消費の持続的回復などの要因から、アルミニウム価格は短期的には楽観的な見方をしている。一方中長期的には国内の需給バランスに依存すると語った。

もし今年太陽光発電や超高電圧(送電)などのアルミ需要量が増加すれば、アルミ価格は安定した状態を維持できるとも語った。

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