「東陽光」 電池材料の売上高アップ、日本にも輸出

3月27日、「東陽光」が2021年度年次報告書を発表した。それによると、昨年度同社の営業収益は前期比23.4%増の128億元、純利益は前期比110.3%増の8.7億元だった。

「東陽光」の事業は新電子材料・合金材料・化学製品・医薬品等4つのゼグメントから構成されている。収益構造について見てみると、2021年度電池用アルミ箔の売上高は30.6億元で営業収益の25.1%を占め、主力の収入源であるのに対し、リチウムイオン電池材料の売上高は前期比124.7%増の4.5億元で、急拡大中の事業に育っている。

同社は競争力のある中核製品に注力すると同時に、強い研究開発力を発揮して付加価値の高い川下の新興産業にも進出し、事業構造の合理化を進めている。

同社の長期戦略は、リチウムイオン電池、フッ素樹脂、電池箔、積層箔、コンデンサーなどの先端技術の研究開発を進めながら新しい分野(新エネルギー、新材料)に進出し将来大きな市場占有率を押さえようとするものである。

注目すべき例を次に掲げる。リチウムイオン電池の需要が拡大している好機をつかむために、2021年「東陽光」と「璞泰来」は戦略的協力関係を結び、合資会社「乳源東陽光フッ素樹脂有限会社」(「フッ素樹脂会社」)を中心に経営資源を統合、PVDFとその原料であるR142bの生産能力を拡大した。協業に関わる増資は2021年7月に完了している。「璞泰来」と同社はそれぞれ「フッ素樹脂会社」の株を60%と40%を所有する。今後同社はフッ素樹脂会社と会計上の連結決算せず、投資勘定を通しては配当を受け取る。

生産能力の拡大についての協議の結果、「フッ素樹脂会社」は年間PVDFを2万㌧とR142bを4万㌧製造する事業に投資することで合意に至った。そのうちのフェーズⅠはすでに乳源ヤオ族自治県発展と改革委員会での事業登録が完了し、広東省エネルギー局による省エネ審査にも合格している。

3月18日、「東陽光」のIR情報で、同社と「璞泰来」が設立した合資会社の持つPVDFの生産能力は5000㌧を超えている。目下のところ、年産1.8万㌧のR142bと1万㌧のPVDFの生産ラインを建設中で、前者は今年秋に後者は今年年末にそれぞれ稼働開始する見込みである。合資会社のPVDF製品はすべてリチウムイオン電池の分野、主にセパレターコーティング、リン酸鉄リチウム正極バインダに使用されており、急激に伸びている需要に供給が追いついていない状態が続いている。今年前半には三元系バインダーの販売が開始される予定であるが、それによってすべてのリチウム電池用PVDFが製造できることになる。この合資会社の顧客はすべて国内の大手リチウム電池メーカーである。海外シェアーの獲得のため、海外の顧客を積極的に開拓しているところである。

「東陽光」と「UACJ」との国内協働事業は電池用箔で、生産能力は2万㌧/年。現在、能力20万㌧/年の生産ラインの建設が計画されており、そのうちのフェーズⅠで5万㌧の生産能力の追加が予定されている。アニュアルレポートによると、日本の「松下電器産業」は取引の検討に入っており「村田製作所」からはすでに受注し生産に入っている。

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