来年のアルミ需要、どの分野で新たな伸びが示されるのか?
電解アルミニウムの主な需要は、建設、輸送、電力、消費、機械・包装などの分野で、そのうち建設と輸送、電力の需要で合わせて73%以上を占めている。現在、アルミニウムの消費量は比較的安定しているが、太陽光発電やその他のプロジェクトの建設向けに、大きな需要が見込まれる。
今年の1月から9月まで、全国の完成した住宅面積は前年同期比23.6%増となったが、9月には伸び率が鈍化し、前年同期比、単月で1%にまで低下した。不動産向けはまだ上昇サイクルにあり、建設向けのアルミ需要は安定的に伸びが予想されており、来年も不動産完成面積の前年比成長が維持されると予想している。
今年の半ばには、自動車に搭載されている半導体が不足していたために自動車の生産台数が減少したが、販売台数は回復している。中国自動車工業協会の最新データによると、9月の中国の自動車生産台数は207万7,000台、販売台数は206万7,000台で、前年同月比でそれぞれ17.9%、19.6%減少した。一方半導体の不足率は、前年同月比でそれ20.4%、14.9%と需要に追いつきつつあり、供給不足の問題は軽減されてきている。
2021年版の新エネルギー車ブルーブックでは、中国の自動車販売台数は2025年に3,000万台に達し、2020-2025年の自動車販売台数の年平均成長率は約3.46%と予測されている。また、中国の自動車産業における1台あたりのアルミニウム使用量は、2022年には前年比約8%の成長が見込まれている。自動車の排出ガス削減や軽量化、新エネルギー車の1台あたりのアルミニウム使用量の向上が、自動車に使用されるアルミニウムの需要を刺激すると予想される。
昨年の電力部門のアルミニウム需要は全体の内の約16%でしたが、従来の電力需要が全体的に安定している。むしろ今後の主な需要の注目点は、太陽光発電設備向けの新たなアルミニウム消費量が増加していくことである。太陽光発電システムに使用される枠は、アルミニウム製の形材である。この計算によると、2020年には国内の太陽光発電にアルミニウムが約100万トン必要になる(2020年の国内新規太陽光発電設備容量は48.2GW)。中国太陽光発電産業協会の予測では、2021年の国内太陽光発電設備容量はそれぞれ55GWと65GW、2025年には国内太陽光発電設備容量はそれぞれ90GWと110GWになるという。2020年-2025年の太陽光発電用アルミニウム需要の複合成長率は、それぞれ13%と18%となる。
来年の電解アルミ需要は、前年比4%増の約4202万トンとなる。サブセクションでは、前述の仮定に基づき、建設不動産のアルミは前年比5%増、運輸部門のアルミは8%増、電力部門、太陽光発電のアルミの成長率は9%増、その他の電力投資は横ばいと予想している。また、民生、機械、包装などの分野は2%の成長が見込まれている。国内の電解アルミニウムの供給量は、純輸入とダンピングを含めて4,244万トン~4,306万トン(生産量4,064万トン~4,126万トン)で、前年比4.3%~5.8%の増加が見込まれており、2022年の電解アルミニウムの需給関係は、供給不安のリスクがやや優勢と予想される。
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