需要がオフシーズン入り。アルミインゴットの供給動向に注目

消費のオフシーズンが近づき、在庫の積み増やしのペースに注目:

2022年の春節が近づき、アルミインゴットの消費は季節的なオフシーズンに入る。2021年以降の消費の構成から見ると、国外でコロナウイルス感染の拡大や日増しに大きくなる貿易障壁により、国内産のアルミの輸出動向と国内消費動向との間に徐々に乖離が見られる。供給量に較べ消費量が大きく減少するのである。

国内の見かけの消費量の推移を見ると、2月は例年通りのオフシーズンで、春節休暇で、消費量が1月から下落しはじめ、2月に入って、基本的に年間の最低量に落ちる。下げ幅については、2018年、2019年、2021年のデータに基づくと、2月の国内消費量の下げ幅は消費量の多い冬シーズンから20~30%程度下落する。

「申万先物」によると、2021年12月の国内電解アルミの消費量は約320万トン。2月はオフシーズンの下げ幅を約25%と計算して、240万トン付近に下落。2021年12月に比べて、約80万トンの減。1月分の消費量は中間位に当たる280万トン付近の見込みである。

また、2021年より以前の同期データから見ると、2022年の消費量は前年同期比で増加する(コロナウイルス爆発前の1月分のデータ)と予想され、消費可能の増加率は2021年と比較して高い可能性があると考える。消費増加率を5%で推計すると、2022年1月と2月の電解アルミの消費量は約295万トンと約246万トンに達するだろう。

安定した需要を予測、供給は価格を牽引する:

2022年の国内の電解アルミニウム需要は徐々に改善していくと期待している。2022年のアルミニウムの消費成長率は2021年の成長率をベースにすると小幅に上昇すると思われる。経済状態の大きな変動要素を除けば、電力供給とエネ消費の二重制御管理目標の影響を受ける電解アルミの生産動向が2022年のアルミニウム価格変動を主導すると思われている。

上海鋼鉄協会の統計によると、2021年1月-10月、国内の電解アルミニウムの生産削減量は累積で294万トン/年となり、12月末までに削減規模はさらに拡大して424万トン/年に達する。具体的には、春節明け、貴州省、雲南省及び北西部の各省の生産が徐々に再開され、合計の生産量は320万トン/年近くとなると思われる。上半期、エネルギー消費の制限が緩和されることに合わせて、電力の供給が正常と仮想すれば、全体の増産量は多いと推計する。ここで、注目したいのが1月3日のインドネシア政府による1月の石炭輸出の禁止措置という情報である。2021年の中国の石炭輸入量の75%はインドネシアからのもので、輸出禁止措置の実施は中国の冬場の石炭供給を悪化させ、引いては、2月の生産再開にも影響を与えるであろう。または、インドネシア政府の政策はとても不安定性で持続性がない。近年ニッケルラテライト、ボーキサイトなどの原鉱の輸出を繰り返し禁止している。インドネシア政府による石炭の輸出規制は2021年に引き続き2022年も継続されるかもしれない。その時は市場の攪乱要因となるであろう。

視線を国内市場に戻す。季節性から見て、雲南省と青海省両地域での水力発電は3月と4月に低水準に落ち込む。これは春節明けの時期は雲南省と青海省両地域の電力供給量は年を通してタイトになるのが通例である。また2021年に雲南省で起こった渇水期の水資源不足が思い起こされる。3月と4月の生産再開はまだ少ないと予測される。

消費量が徐々に増加していくことを予測する。2022年4月のピークシーズンでのアルミ消費量は340万トン以上に増加。それに対して生産能力は400万トン/年近くに増加すると思われる。春節明けに増産が間に合わなければ、大きな需給ギャップが生じ、電解アルミの価格は上昇モーメントが働くであろう。

コスト状況:

生産コストについて。冬場の生産制限により電解アルミの生産規模は大幅に縮小した。これに伴い、アルミナやアノードなどの原材料価格が大幅に下落した。11月下旬以降の電解アルミの収益は回復。現在は2021年の高水準の範囲に戻り、電解アルミ生産企業の利益状況は良好だ。

しかし、2022年の電解アルミの利益水準は、現在の高水準を維持しにくい。主な理由は、1月初までに、電解アルミの生産能力が今年の最低水準に落ちたと言われているから。高収益性と政策上の制限が徐々に緩和されるにより、電解アルミの生産能力が徐々に再開される可能性が高く、現在の低迷しているアルミナ需要をいくばくか改善でき、コストの増加を促すだろう。

概要:

需給関係を見てみよう。2022年は主に供給サイドの変動に注目すべきだ。年初はオフシーズンのため、アルミ価格は下落するかもしれない。しかし冬場の生産削減と消費の下支え、それから春節休みの間の在庫の積み増しがそれほどには大きくないかも知れない。3月、4月の生産量の増加が十分でなく国内外の投資が活発に戻れば、電解アルミニウムの需要がタイトとなり、価格は上げの可能性が相当に高い。

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