「中国五鉱」レポート:2023年のアルミ供給過多。不動産が前半期の需要を下支え(下)

アルミ在庫:

2023年2月27日、SMMは、アルミインゴットの国内全在庫が126.8万トンであると発表した。1月末比、在庫は28.2万トン増加。前年同月比15.1万トンの増。急速な在庫増は、現在のアルミ価格を下押ししている。

一方、アルミ丸棒の在庫は著しく減少している。これは、不動産の回復でアルミ丸棒需要アップが主因である。

川下産業である自動車関連は相変わらず急成長を遂げてはいるが、2023年に新エネルギー車に対する補助金政策が打ち切られることで、成長率は若干減速すると予想される。不動産に関しては、2022年11月以降後押し政策が相次ぎ、今年の不動産の完工ベースは堅調さを予想する。

一次アルミの輸入は低迷。輸出は大幅増:

中国税関の発表によると、2022年の国内一次アルミ輸入量は前年比58%減の66.8万トン。輸出量は前年比2680%増の196012.8トンであった。

また、2022年の中国アルミ材の輸出総量は前年比13.2%増の615.0万トンだった。この内、アルミ帯や箔の輸出量はそれぞれ357.2万トンと146.4万トンで、増加率はそれぞれ20.8%と9.6%だった。アルミ缶素材や家庭用箔などの製品の輸出も予想以上の実績だった。一方、アルミ押出材の輸出総量は107.0万トンで、前年比で1.8%減少だった。

海外電解アルミの供給について:

天然ガス価格の下落で、2023年に海外の製錬場は徐々に再開し始め、新規製錬場が稼働開始の予定。そのため、海外の供給量は2022年比で増加の見込み。

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