鉄鋼および電解アルミ等関連産業の新規設備を厳格管理へ

要旨:産廃量の削減のため、関連法規を整備し、排出量の減少を計る。旧式の設備を廃棄し、新規投資を抑制していく。不足分はリサイクルを拡充していく。そのための技術を開発していく。将来的には他業種間にわたるリサイクル品の利用をはかっていく。

2月10日、中国工業情報化部。工業情報化部、国家発展と改革委員会、科学技術部、財政部、自然資源部、生態環境部、商務部および国家税部総局が共同で「工業資源総合利用の推進と加速に関する実施計画案」(以下「計画案」)を発表した。

「計画案」の内容は次の通り。2025年までに廃棄物のリサイクル率を57%にまで上げること。量に換算すると4.8億トン相当である。その内訳は鉄スクラップが3.2億トン、非鉄金属廃棄物は2千万トン、紙くず6千万トン、その他8千万トンと見込んでいる。

産業廃棄物の排出を抑制していく方策を次の様に説明している。①産業構造の高度化を図ることで排出物を再利用する。②鉄鋼や電解アルミ等エネルギー多消費産業については新規の設備を厳しく制限する。③旧式設備の廃棄を推し進める。④鉄鋼スクラップを利用する電炉を拡充する。⑤非鉄金属は再生率を上げて銅・アルミ・亜鉛等の再生品の供給量を増大させる。⑥電力等のエネルギー業界は水力、風力、太陽エネルギー、地熱などクリーンエネルギーを利用する。このような資源の再利用を通して、産廃物の排出を抑制していく考えである。

「計画案」は新規の生産設備を抑制する一方、再生が可能な資源を効率的に循環利用することにも言及している。①循環再利用を向上するため種々の標準化を進めること。②鉄鋼スラグ、非鉄金属、プラスチック、タイヤ、紙、パワーバッテリー、携帯電話等の廃棄と再生の当業者を法規に則って管理すること。③鉄鋼、非鉄金属、製紙、プラスチック加工等の業界がリサイクル業界と協力を強化し、それぞれの集荷・再生のための加工・流通センターを建設すること。④繊維やガラスくずなど低価値な資源についても総合利用することを奨励する。⑤リサイクル産業内のサプライチェーンを拡充し、鉄鋼、銅、アルミ、亜鉛、ニッケル、コバルト、リチウムなど戦略的価値を持つ金属スクラップの再生利用の効率化を図ること。そもそも再利用品の品質を上げることが=付加価値をつくり込むことが、再利用の必要条件である。⑤基準を満たす再生原料については積極的に輸入を促し、ペットボトル、プラスチック包装材等大量に発生する廃プラスチックの循環利用を加速させる。そしてこれらを自動車、電化製品、電子機器、建築業、繊維産業などの分野での使用率を上げることが重要である。

「計画案」は、石炭採掘業、冶金工業、建材製造業、石油化学工業等の業界についても廃棄物の減量化に言及している。これらの当業者間の連携を強化し、産廃物を互いの業界で再利用していくことが求められる。産業廃物を互いに融通できるよう処理技術を磨き、セメント、鉄鋼、火力発電などで使用される工業炉と、石油精製、石炭ガス化、苛性ソーダ製造など石油化学産業で使用される処理装置を協働利用することなどで産廃処理を進める。鉄鋼、石油化学、建材など各産業の特徴を生かし、IT新技術を有効に活用し、資源再利用率の最大化、産業廃棄物の排出抑制などを推進していくというものである。

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