中国のプリベークドアノード市場

製造コストが上昇、価格はコストアップから3月に底入れ反転が期待されるが尚、厳しい環境にある。

価格相場:

中国プリベークドアノードの価格相場は2023年明けから下落傾向を見せた。2月分の総合市場価格は6177元/トンに値下げ、前期比9.7%減、2022年の6月分の7748元/トンの高値に比べ20.3%の減となったが、依然高い相場付きと言える。原料高騰などコスト増の影響を踏まえ、3月に入って、プリベークドアノードの価格は底入れ反転が期待される。

生産状況:

1月度の生産状況は順調に推移した。暖房シーズンにもかかわらず環境規制の影響をほぼ受けなかったことが奏した。山東省・河南省・河北省などではEPE「Environmental Performance Evaluation」A級メーカーがフル稼働。B級の稼働率は前年同期比で上昇傾向が見られた。

「安泰科」の統計によると、2023年1月末時点で、中国のプリベークドアノードの現在の生産能力は2863万トン/年で前期比43万トン増だった。増分内訳は広西三田炭素の建設済みの生産能力60万トン/年の工場が負った。稼働している生産能力は2100万トン/年で、稼働率は74%に上り前年比8ポイント増。その主要因は2022年第4四半期に広西省・雲南省などで新規設備が順調に立ち上がったことのほかに、冬季・暖房シーズンの生産制限が小規模であったことが幸いした。中国の2023年1月分のプリベークドアノードの総生産量は188万トンに達し、前期比と前年比それぞれ0.7%増と7%増の見込みである。

需給状況:

国内需要は当面成長は期待できそうもない。また輸出量も下落傾向が顕著である。川下における電解アルミメーカーが生産能力を順調に再開・開始しているが、四川省・内蒙古・貴州省など地域では、生産能力の稼働開始・再開の規模に上限が設けられていることに加え、雲南省・貴州省など地域では、電力制限策がまだ継続されている。生産の完全回復は早ければ5月からだと見込まれる。輸出量については2022年12月時点で、16.6万トン。同期比30.3%減。これらを勘案すると足元の需要は減少傾向に向かっていることは明らかである。

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